気管支喘息
Bronchial Asthma
気管支喘息の治療は、コントロール状態の評価をして、コントロール良好を目指します。
①日中および夜間の喘息症状の有無 ②発作治療薬の使用の有無
③運動を含む活動制限の有無 ④呼吸機能(FEV1およびPEF)
⑤呼吸機能(PEF)の日(週)内変動の幅 ⑥増悪の有無
によりコントロール状態を評価します。(喘息予防・管理ガイドライン2009より)
治療の中心は一般的には吸入ステロイドを用います。また、体の偏りを改善する漢方薬の効果を報告した英語論文があり、成人、小児の喘息の治療に効果があります。東洋医学の科学的効果が証明されてきています。
喘息の管理と治療の目標としては、
①健常者と変わらない日常生活ができること。
②正常に近い肺機能を維持すること
③夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が十可能なこと。
④喘息発作が起こらないこと
⑤喘息死の回避
などがあげられます。肺機能検査をすることにより、適切な長期管理の指導が必要です。
当院の小児喘息の治療について▼
アレルギー性鼻炎(花粉症)と気管支喘息との関連▼
上気道(鼻)と下気道(気管支)のアレルギー疾患がお互いに影響することが報告されています。スギ花粉症を合併した喘息の方は3分の1から2分の1でスギ花粉の飛散時期に喘息の症状の悪化が認められます。
両者の関連を念頭にいれた治療が必要になります。
ご心配な方はご相談ください。
<治療薬>
1.長期管理薬(コントローラー)
発作が起きない様にする薬です。症状がないときでも継続して使うことが必要です。
症状がないのに薬を使うことは抵抗がある方も少なくないとおもわれますが、気道の炎症は症状がない時にもあるため、治療が必要です。高血圧の方が急に薬を中止しないことと同じ様に考えましょう。
① 吸入ステロイド薬
◆ パルミコート(100、200)
◆ キュバール(50、100)
◆ フルタイドディスカス(50、100、200)
◆ オルベスコ50(1日1回吸入)
◆ オルベスコ100(1日1回吸入)
◆ オルベスコ200(1日1回吸入)
【β刺激薬との合剤】
◆ アドエア100ディスカス
◆ アドエア250ディスカス
◆ アドエア500ディスカス
<新しい喘息治療薬のお知らせ>
シムビコートが1月から処方可能になりました。吸入ステロイド薬(パルミコート)と長時間作用性β2刺激薬(ホルモテロール)の合剤です。
吸入ステロイド薬(フルタイド)と長時間作用性β2刺激薬(セレベント)の合剤はアドエアもあります。シムビコートはアドエアとは異なる長時間作用性β2刺激薬(ホルモテロール)が配合されています。ホルモテ
ロールは即効性もありアドエアに入っているサルメテロールに比較して効果の発現が早いのが特徴です。
② 抗アレルギー薬
【ロイコトリエン拮抗薬】
◆ オノン(112.5mg)ドライシロップ(10%)もあります。2cap/回 2回/日(成人)
◆ キプレスチュアブル(5mg)
◆ キプレス(10mg)
◆ シングレアチュアブル(5mg)
◆ シングレア(10mg)
【TH2サイトカイン阻害薬】
◆アイピィーディ 100mg/回 3回/日(成人)
③ 貼付薬
【長時間効果が持続するβ刺激薬】
◆ホクナリンテープ 2mg 1枚/日
④ デオフィリン薬
◆ デオドール100
◆ デオドール200
◆ ユニフィル200
◆ ユニフィル400
2.発作時治療薬(リリーバー)
発作が起きた時に使用する薬です。
【吸入薬 短時間作用型β刺激薬】
◆ ベロテック100 2吸入/回(成人)
◆ メプチンクリックヘラー
◆ サルタノール 2吸入/回(成人)1吸入/回(小児)
3.気管支喘息の東洋医学的な分類と漢方処方
漢方治療においては、個人の病状に応じて治療薬が変わり、以下の病型に大分されます。継続して使用することにより、喘息の症状が緩和されていきます。
① 肺寒型…肺が冷えて肺機能が低下した状態。痰が白く、量が多い状態。
【治療】
体を温める漢方薬で肺の冷えを改善する。
漢方生薬:麻黄、紫蘇、桂枝、乾姜、細辛など
② 肺熱型…肺が熱をもって肺機能が低下した状態。痰が黄色く、粘りが強い。
【治療】
肺の熱をしずめて痰を取り去る漢方薬を使用する。
漢方生薬:石膏、黄岑、山梔子、桑白皮など
③ 虚型…肺、腎の機能が低下して水(津液)が減少した状態
【治療】
肺を潤し、水(津液)を補う漢方薬を使用する。
漢方生薬:天門冬、麦門冬など
▼関連リンク/情報
喘息 咳喘息.気管支喘息・小児喘息 All About
気管支喘息<アレルギー疾患>goo ヘルスケア
Zensoku.jp
ぜんそく.com
★2011/5/25 朝日新聞「車の排ガスで小学生の喘息増加 国、関連性認める」
自動車の排ガスが小学生の喘息の発症率を高めていることが24日、環境省の健康影響調査でわかった。これまで喘息患者らが起こした大気汚染公害訴訟などで国は、排ガスと喘息の因果関係について「科学的知見が少ない」としてきたが、調査を受け環境省は初めて「関連性がある」と認めた。
東京都の国道246号や川崎市の東名高速道路、名古屋市の国道23号、大阪市の国道43号など全国11市区で、幹線道路の近くに住む小学生計約1万2千人を2005年度から5年間、追跡調査した。アンケートから屋外で過ごす時間や場所を割り出し、排ガスを吸い込む量を推計。吸い込んだ量が多い児童の方が、喘息の発症率が高かった。
さらに3歳以下の幼児と40歳以上の成人も調べたが、排ガスと喘息の関係ははっきりしなかった。
★茶のしずく石鹸(せっけん)(旧商品)によるアレルギー症状
小麦の加水分解成分が含まれていた「茶のしずく石鹸(せっけん)(旧商品)」の使用者に、急性アレルギー症状が出ています。アナフィラキシーショックで呼吸困難を認める場合もあります。
石けん類により皮膚から吸収される小麦にアレルギーが発症するとは想像がつかないと思われるかもしれませんが、アレルギー体質のない健康な人でも問題のせっけんを使用すると、新たに小麦アレルギーを発症する場合があります。
小麦アレルギーは血液検査で調べられますのでご相談ください。
★2011/5/20 厚生労働省報道発表資料「小麦加水分解物含有石鹸「茶のしずく石鹸」の自主回収について」
平成22年10月、小麦を加水分解した成分を含有した製品の使用者において、小麦含有食品を摂取してその後に運動した際に全身性のアレルギー(運動誘発性のアレルギー)を発症した事例が報告されたことを受けて、小麦加水分解物を含有する医薬部外品・化粧品について、小麦アレルギーに関する注意喚起、副作用報告の徹底等を製造販売業者に対して通知しました。
その後、(株)悠香が製造販売する「茶のしずく石鹸」(愛称)(小麦加水分解物を含有する旧製品注))の使用者において、「運動誘発性のアレルギー」に関する副作用報告が集積したことを踏まえ、旧製品を自主的に回収するとともに、旧製品の使用者に対して注意喚起することとしたと報告がありましたのでお知らせします。
注)現在販売されている「茶のしずく石鹸」(新製品)は小麦加水分解物を含有していません。